お題
はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」
「父が泣いた日」
厳格だった父
いつも一人でいる事が好きな父
そんな父の涙を私は見たことがなかったです
どこかチャランポランな父
何を考えているかわからない父
父が
お祖母ちゃんの葬式の時に
初めて涙を見せました
ずっと、ずっと
子供の様に泣きじゃくっていました
その時まだ私は幼かったので
お祖母ちゃんが亡くなった事に
実感が沸かなく
ただ、葬式に出ていました
そして、父はその頃から
元気を失いました
いつも、電話では怒っていて
テレビを見ては、ぼうっとしている
そんな父に
私は言いました
「父の子供じゃなければ良かった」
父はただ、何も言わず
そっと自分の部屋に戻りました
そんな父の背中を見て
私は絶対に死んではダメだと
思ったのかもしれません
今、精神病と闘っています
もう12年経ちます
でも、私は生きる事をやめません
何故なら父が悲しむから
そんな今父の話し相手は
私です
少しは私は父にとって
大人に見えるでしょうか
まだまだ成長段階ですが
いつか、私にも奥さんが出来て
子供が出来て
父に孫を見せたいです
それが、親孝行なんだなと思ってます
では、この辺で